快適で健康な家づくりがしたい方の中には、アスベスト調査について知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
内装リフォーム前には、アスベスト調査が必要です。
本記事では、アスベスト調査の必要性とアスベスト除去の流れについてご紹介します。
2021年4月1日に施行された大気汚染防止法の一部改正により、建物の解体やリフォーム工事を行う際には、アスベスト調査が必須となりました。
この改正により、全てのアスベスト含有建材に対する規制が拡大されました。
また、アスベスト除去作業に対する基準が設定されました。
この改正は、以前に不適切に行われていた除去作業によるアスベストの飛散を防ぐことが主な目的とされています。
2022年4月1日からは、80平方メートル以上の床面積を持つ建築物の解体や、請負金額合計が100万円以上かかる改造、補修、工作物の解体や改造などのリフォームにおいて、アスベスト含有建材の有無に関わらず、事前に調査を実施し、結果を都道府県等の行政機関へ報告することが求められます。
また、調査の方法が法定化され、結果の保存が義務付けられています。
アスベストは明治時代から建材に使用され始め、特に1960年代の高度成長期には広く建物に利用され、1970年から1975年頃には年間30万トンを超えるアスベストが輸入されました。
一方で、1970年代からは発がん性が指摘され、アスベストの利用は規制されるようになりました。
2006年以降は、0.1%を超えるアスベストを含む建材の製造・使用が全面的に禁止されました。
建物の建築年代を知ることで、アスベスト含有建材が使用されているかを把握する手がかりとなります。
1.事前調査
最初に、建築資料や図面などを検討し、目視調査を行います。
建物の建設年数や設備機器の製造年数を確認し、安全性を確保します。
2.サンプリング・分析調査
事前調査でアスベスト使用の可能性がある場合、サンプリングを実施し、X線回析分析法や位相差・分散顕微鏡による分析を行います。
3.施工計画書作成・諸官庁申請手続き
アスベストが確認された場合、専門業者は施工計画書を作成し、関係諸官庁にアスベスト除去作業の申請手続きを行います。
4.解体除去作業
専門業者により、アスベスト(石綿)除去作業が実施されます。
作業中は環境測定が行われ、アスベストの飛散量などが厳密にチェックされます。
5.作業完了
作業後にはアスベストの濃度測定が行われ、作業が完全に遂行されたかどうかが調査されます。
施工写真や廃棄物マニフェストなどの資料が整理され、完了報告書としてまとめられ、所轄官公庁へ工事完了が報告されます。
2021年4月1日に施行された大気汚染防止法の一部改正により、建物の解体やリフォーム工事を行う際には、アスベスト調査が必須となりました。
建物の建築年代を知ることで、アスベスト含有建材が使用されているかを把握する手がかりとなります。
本記事がアスベスト調査について理解を深める参考になれば幸いです。